金融基盤
ビヨンド・“ゼロカーボン”技術を社会実装するためには、安定的な資金調達・運用・循環が必要です。社会的価値の高い新事業や技術開発の多くは公的資金が投入されて開始されますが、事業の継続には様々な民間資金の活用が不可欠です。民間から出資・融資を募り、事業収益を地域や投資家に還元させ、さらなる投資につなげるという、資金循環の仕組みがあってこそ、技術の持続的な運用が可能となります。
一方で、多くのビヨンド・“ゼロカーボン”技術は、開発レベルや市場が未成熟であるため不確実性(投資リスク)が高く、従来の金融市場においては流動性が低い(取引があまり活発でない)売買しにくい金融商品と考えられています。
研究開発課題7では、科学的な根拠をもとに技術のリスクや社会的貢献(広義のリターン)を評価する手法を開発し、資金供給において技術が正しく評価される仕組みを構築します。また、様々な資金供給主体の特徴・目的を整理し、リスクとリターンの空間的・時間的分布から、技術を社会実装するためのベストミックス(体制再構築)を研究・提案します。このように、資金が地域や新規技術に集まり、自律的に循環する金融基盤を構築することにより、技術の社会実装を促進します。