食料・再エネ増産

食料・再エネ増産

研究開発課題5 食品生産と生態系保全を強化するGX技術の実証・社会実装
解決する課題:バイオマスの複合的な利活用

世界的な人口増加に伴い、人口1人あたりの耕作可能農地が過去50年で半減し、農業では限られた農地での食料増産が課題です。林業では適正な伐採が行われないことによる森林の老齢化が課題です。今後、適切な農林地の活用により生態系を保持しつつ、持続的な食料や木材の増産を行うことが急務です。更に、農林地で作られるバイオマス資源は、脱炭素化に向けた石油資源の代替として、カーボンニュートラルなバイオ燃料、グリーンケミカルへの活用が期待されています。そこで、これからは単位面積当たりの食料・木材増産と新たなグリーンケミカル産業の創出の両方が求められます。

解決方法:農工融合型GX技術開発

研究開発課題5では、これらの諸課題を個別最適化により解くのではなく、産業全体として同時に解決する農業技術と工業技術が融合したグリーントランスフォーメーション(農工融合型GX)技術の開発を行います。種子島のサトウキビを例にすると、製糖過程で発生する副産物の糖蜜からエタノールやブタノールを、搾りかすのバガスから石油代替燃料を製造します。これは、地域の主幹産業を維持しつつ、バイオケミカルという高付加価値商品を作り出し、地域産業、地域経済を活性化するとともに、廃棄物削減や脱炭素にも貢献する技術です。さらに、こうした技術を品種改良や土地の改良などの農業技術と組み合わせることにより、安定的に原料が供給され、産業全体の強化につながります。ほかにも間伐材や廃食用油を原料としてバイオディーゼルを製造し、石油代替燃料としての事業化に取り組みます。

上流の農林業や食品産業が質・量ともに安定したバイオマス資源(副産物や間伐材等)を排出し、下流のバイオマス産業がそれらを高付加価値製品に変換することで利益を創出し、上流産業へもその利益を還元することで、Co-JUNKANを発展させビヨンド・ゼロカーボンを実現します。さらに、新たなビジネスモデルとして海外展開も目指します。

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