研究開発課題

研究開発課題

拠点の目指す将来ビジョン

本拠点では、実践の場と学理を相互につなぐ仕組みを世界に展開するため、「ビヨンド・ゼロカーボンを描くCo-learningの展開」、「誰でも使えるCo-JUNAKN基盤を実装」、「ビヨンド・“ゼロカーボン”を実現する技術を社会実装」の3つのターゲットに取り組み、“Co-JUNKAN”プラットフォームをつくります。

ビヨンド・

ターゲット1 ビヨンド・“ゼロカーボン”社会を描くCo-learningの展開

多様なステークホルダーが学びあい、豊かな将来像を描き実現するためのソフト・ハード面の仕組みの開発・設計・実装を行います。また、産学公や地域間の人材循環、デザイン思考で自律的に将来ビジョンを描ける人材育成のための教育・研修プログラムの設計・実施も同時に行います。

ターゲット2 誰でも使えるCo-JUNKAN 基盤の実装

分散している地域や技術に関する情報を誰でも使える形で集約し、地域固有の条件に合わせた最適な技術・システムの選択肢を提案するシステムの開発・実装を行います。

ターゲット3 ビヨンド・“ゼロカーボン”を実現する技術の社会実装

地域交通・エネルギー、農林業GX、エネルギー需給構造など、ビヨンド・“ゼロカーボン”に不可欠な技術システムの開発・地域実証を通して、社会実装に必要な要素を明らかにします。

用語集

用語 説明
ビヨンド・“ゼロカーボン” ゼロカーボンを達成する時点ではなく、さらに先にある在りたい将来の社会の姿であり、本拠点における造語です。本拠点ではその姿からバックキャストすることで、具体的かつ魅力的な気候変動対策を検討できる社会を目指します。
Co-JUNKAN 技・知・人が有機的かつ高度に産学公の間で循環し合える状態を指している本拠点における造語です。“共に:Co-”を含めることで個別の循環ではなく、協調して循環することを意味しています。JUNKANとローマ字表記し、日本発の“和”の概念を組み入れた循環の概念として発信することを狙っています。
Co-learning 広範な要素の設計力と多面的評価力をもつ大学研究機関等と、自治体等地域の関係者が双方向で学び合いながら、地域が自律的にビヨンド・“ゼロカーボン”を目指し前進していく、専門知と地域知の学び合い・共有の手法です。
地域サテライト 種子島、佐渡、岩手、和歌山、豪州クィーンズランド州など活動を行う地域を指します。
ライフサイクルアセスメント(LCA: Life cycle assessment) ISO14040シリーズでも定義されている、対象とする製品を生み出す資源の採掘から素材製造、生産だけでなく、製品の使用・廃棄段階まで、ライフサイクル全体(ゆりかごから墓場まで)を考慮し、資源消費量や排出物量を計量するとともに、その環境への影響を評価する手法です。
先制的ライフサイクルマネジメント(先制的LCM) 上記のライフサイクルアセスメントや後述のマテリアルフロー分析、産業連関分析などの技術評価手法を、技術開発段階から用いて、環境・社会経済条件の変化を考慮しながらシナリオ分析に反映させることで、設計、実証、実装の支援、さらには技術開発項目へのフィードバックを実施する手法です。
マテリアルフロー分析(MFA: Material flow analysis) あるまとまりのあるシステム(国や地域など)における一定期間内(例えば1年間)のモノの流れ(投入・排出・蓄積)を、系統的にかつ定量的に分析する手法です。LCAが機能単位として製品1kgあたりなど、単位量あたりの流れに着目していることに対し、MFAでは総量として流れている量に着目し、規模などの議論が可能となります。
産業連関表と産業連関分析(IOA) ある一定の範囲内の経済において一定期間(通常1年間)に行われた財・サービスの産業間取引を一つの行列(マトリックス)に示した統計表のことであり、日本全国を対象とした全国表が総務省から、都道府県を対象とした都道府県表が各都道府県庁から得ることができます。産業連関分析は、この表を用いて取引の構造を何らかの観点に基づき可視化、指標化、評価するものです。
RE-CODE 研究開発課題3で開発する、地域と技術を繋ぎ実装を加速する情報基盤を指します。REはREgion、REsource、REnewables、CODEはCo-DEsignとプログラムコードとしてのCode、などの意味を包含する本拠点における造語です。
オープンデータ 機械判読に適した形式で公開されており、誰でも許可された規則の中で、自由に複製、加工ができるデータ群のことです。有効活用しやすい反面、データ形式はばらつきがあり、突合など組み合わせて使う際に課題があります。
GX(グリーントランスフォーメーション) 環境に配慮し、グリーンエネルギーに移行することで、産業構造の変革や社会経済の成長につなげることです。
半炭化技術 バイオマスを300~500℃程度で蒸し焼きにし、揮発軽質油分と残渣炭化物を得る技術です。得られた生成物からバイオ燃料を生成することが可能となります。
蓄熱輸送技術 未利用熱の発生地と熱需要の間にある時空間的なギャップを解消するために、乾燥材や甘味料などの蓄熱材を用いて熱を長期間保存し、輸送する技術です。